君のいる世界
「麗奈に近付いたのはお金が目的なのでしょう?」
その耳を疑いたくなるような言葉に、私と大輝は二人同時に肩をビクッと震わせた。
目的は…お金?
この人は一体何を言っているの…?
「それはどういう意味です?」
それでも大輝は毅然とした態度で、声色すら変えない。
「小さい兄弟が二人もいてこれからもっとお金が必要になる。それに加えて一つ下の妹は特待生にはなれなかった。だから麗奈に近付いて、あわよくば大金をせしめようと考えているのでーー…」
ーーーーーバンッ!!!
「お祖母様!!今のは聞き捨てなりません!今すぐ謝って下さい!!」
私は我慢の限界で、祖母の言葉を遮るように思いっきり机を叩いて声を荒げた。
大輝をこんな風に貶す祖母が許せなかった。