君のいる世界
麗奈の夢、叶えよう
その後、私と大輝は今から戻れば午後の授業には間に合うから、と祖母とお母さんに半ば強制的に車に押し込められた。
今日ぐらい休んでも平気だって言っても、二人が口を揃えて「いかなるときも勉学は疎かにしちゃいけません」だなんて同じ顔して言うもんだから。
以外とあの二人、気が合うのかもしれない。
「良かったな。色々と丸く収まって」
学園に着くと四限目の真っ最中だった為、私達は生徒会室で時間を潰す事にした。
いつものソファの定位置に座ると、急に現実に引き戻されてどっと疲れを感じる。
「うん…なんか夢みたい……夢じゃ、ないよね?」
「ああ、夢じゃない。全部、終わったんだよ」
大輝は隣りに座る私の頭に手を添えると、自分の肩に凭れかけるように引き寄せた。
夢じゃない。
終わったんだ、何もかも。
大輝と離れ離れで辛かったあの日々も、両親が離婚してからずっと一人ぼっちだったあの家も。
全て元通りになったんだ…