君のいる世界




「麗奈。前に店を出す時に出資してくれた方がいるって話したでしょ?」



「え…?あ……」



確かあれはお母さんと再会した夜。


私がお母さんと一緒に暮らしたいって言ったら、出資してくれた方に返済が終わるまで待ってくれって言われたんだっけ。




「実はその出資してくれた人ってお父さんのことなの」



お母さんの思い掛けない発言に、その場の空気がピタッと止まる。


出資してくれた人が……お父さん……?




「ええー!!!!?ど、どういうこと!?」



頭の中がこんがらがってパンクしそうだった。


この二人は離婚してからも接点があったって事?


どういう経緯でそうなったの?




祖母は勿論、その場にいた大輝と康君も驚きで目を見開いている。




「再会したのは本当に偶然なの。隠れてずっと会ってたとかじゃないから誤解しないでね」



お母さんはそう前置きすると、ポツリポツリと話し始めた。



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