君のいる世界
おばさんは仏壇がある和室の押入れを開けると、そこから一冊のアルバムを取り出した。
そして机にアルバムを広げ、あるページで手を止める。
「あ、あったわ。これが大輝でこっちが麗奈ちゃん」
おばさんが指差したのは、幼い頃の私と大輝がカメラ目線で楽しそうに笑いながらピースしてる写真。
他にもおばさんに抱っこされながら泣きじゃくってる小さい琴音ちゃん、バーベキュー施設でトング片手に野菜や肉を焼いてる大輝のお父さんとビールを呑んでるうちのお父さんの写真が数枚あった。
「あれ…?ここって…」
大きなコテージと野外のバーベキュー施設。
一面に敷かれた芝生の絨毯と所々に咲いた蒲公英。
いつだったか夢で見たことがある。
そうか、あの男の子は大輝だったんだ。
「…麗奈だったんだな」
「え?」
私が頭の中で思ってたことと同じような内容を同じタイミングで言った大輝に、思わず驚きの声を上げた。