君のいる世界
Period*2
…好き
「ただいま」
「お嬢様!!一体今まで何処へ!?連絡しても通じないですし、これから探しに行こうとしていた所ですよ!」
玄関を開けて中に入ると、康君がコートを羽織りながら慌てた様子で私に駆け寄ってきた。
やばい…
そういえば、あれから連絡するのすっかり忘れてた。
携帯を見ると、待受は康君からの着信と留守電の報せでいっぱいだった。
「ごめんね。康君、あの後大丈夫だった?」
「私は何とも御座いません。あの男達もすっかり大人しくなり反省しておりました」
「…え…?康君…一体何したの?」
私は康君の意味深な発言に目を見開いた。
あの人達が簡単に大人しくなったなんて信じられないんだけど…
「お嬢様が気にすることでは御座いません」
そう言った康君は目を細め、含み笑いを浮かべる。
その笑みにただならぬ空気を感じ、私はそれ以上突っ込むのをやめた。