君のいる世界




「知らないの??ホント凄いんだから!柳田さんを見たいがために朝校門の前で待ってる女子、たくさんいるんだよ」



そう言われてみれば確かに毎朝女子がキャアキャア騒いでる気がする。


あの子たちって皆、康君目当てだったんだ…




ふと恐ろしい考えが頭に浮かび上がった。



「それじゃ私ってその女子達から見たら…」



「邪魔者ね…だから気を付けた方がいいわ。過激なファンは何するかわからないもの」



血の気がサァーッと引いていった。


よくドラマで見る光景が頭を過る。


体育館裏に呼び出されて大人数に囲まれて叩かれたりするのかな…


もしかしたら、トイレの個室に閉じ込められて水掛けられるのかも…


想像するだけで恐ろしくて身震いがする。



「って言っても、谷本さんに何かしてくる人なんてこの学園にはいないと思うけどね」


そう言う山下さんの言葉は、全然耳に入ってこなかった。



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