君のいる世界




「…意地でもこっち向かねぇなら無理矢理にでも向かせるまで」



え…?今何て?


ボソッと言った言葉が聞き取りづらくて油断した途端…



「きゃあ!…っん……」



会長が私の耳朶を甘噛みした後、耳に生温かいものが這った。


初めての感触に鳥肌が立ち、思わず右肩を竦める。



「ちょっ…待って…会ちょ…」



首に回る腕を解きながら半身振り向くと、会長はそれを待っていたかのように顔を寄せ唇を重ねてくる。



「…んっ…」



会長は唇を重ねたまま、私を窓に凭れさせた。


私の顔の横で窓に両肘を付き、右膝を私の足の間に割り入れる。


身長差が10センチ程あり、斜め上からキスが落とされる格好になった。




止まないキスの雨。


それどころか角度を変え、次第に深くなっていく…


息苦しくて限界が来た私は、息を吸おうと必死で口を開いた。


その瞬間、会長の柔らかい舌が滑り込んできて口内を強引にかき乱す。



「……んんっ……は…っ…」



膝がガクガクと小刻みに震え出す。


私は両手で会長の胸のあたりの制服をギュッと掴んで、必死に自分を支えた。




長いキスの後、白い糸を引いて唇が離れていく。


まだ鼻先がくっつきそうなぐらい近くにある会長の頬は赤く染まり、更に私の心臓を煩くさせた。



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