† of Ogre~鬼の心理
独章
いつものように人々から感謝されたその日、ひとりが私に言ったのだ。
永遠に、この場所を物の怪から守ってくれないか、と。
私は、人間が永遠に生きられないことを、知っていた。
仏が定めたもうたこと以上に強力ななにかによって、人間――
いや、あらゆる命は必ず死ぬ存在であることを知っていた。
だから、それはできない。
そう私は言うべきだったのだが。
人々の眼差しと、一個に集中した希望の空気が、私にそれを許してくれなかった。
そして私は、決断したのだった。
それから――長い時が経った――今。
永遠に、この場所を物の怪から守ってくれないか、と。
私は、人間が永遠に生きられないことを、知っていた。
仏が定めたもうたこと以上に強力ななにかによって、人間――
いや、あらゆる命は必ず死ぬ存在であることを知っていた。
だから、それはできない。
そう私は言うべきだったのだが。
人々の眼差しと、一個に集中した希望の空気が、私にそれを許してくれなかった。
そして私は、決断したのだった。
それから――長い時が経った――今。
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