† of Ogre~鬼の心理

独節

♪ 独節



街中はコンクリートばかりで困ると、実に痛感した。

あの魔法使いめ……いくら代償とはいえど、食べ物を粗末に扱うとは。



しゃらんしゃらん。



(しかし……)

立ち上がった私は、膝や背中が異常に振動していることに、顔をしかめた。

受け身なぞ取れるような状況ではなかった。

目の前が紅蓮で押し潰されたかと思えば、地面に叩きつけられていたのだ。

あの魔法使いもただではすんでいないだろうが、こちらもかなりの痛手だった。



しゃらんしゃらん。



周囲の人間が、私を見てはひそひそと耳打ちし合っている。

空から人が降ってきたくらいで、まったく騒がしい。

私が落ちたのは、車の通りが多い道だ。

目撃者は多くとも、すぐにノイズの中へ噂として流されていくだろう。

そう思い。騒がしさは無視した。

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