† of Ogre~鬼の心理

第十五節

† 第十五節



警察には、迷惑でしかない通報がくるのも、珍しくない。

水路にペットが落ちただの、ゴミが鴉に荒らされただの、自動販売機に小銭をぼったくられただの、そんなことは地域の自治体や関連の会社に電話してもらいたい。

さらに言うなら、

「アルさーん、なんか中心街の商店通り辺りで、爆発騒ぎがあったそうですよー」

「死者とか、なにか吹っ飛んじゃったとか、実質的な被害、出たの?」

「いえ。空が突然爆発したとかなんとか。そのまんま、『爆発騒ぎ』みたいです」

「ふうん。死傷者いないならほっとこう」

不思議なものを目撃して、それがショッキングだからといって通報するのは、もっとよしてもらいたい。

警察はオカルト研究所とはわけが違うんだから。

それと受付。刑事課へなんでも回すのもやめてもらいたい。地域安全課も仕事をしてほしい。

「アルさん、冷たいですね」

と、内線を切った内村。

僕は笑う。
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