† of Ogre~鬼の心理
この世界は、四次元だ。三次元では、ただそこに固定された存在に過ぎない。

高さ、幅、奥行き、そして時間という四次元にあるからこそ、生物は存在する以上の、いきるという行為へ及べる。

「その答えで、おおよそは正解だ。それ以上、なにが訊きたいんだ?」

「……」

少年は、数秒黙った。

真輝には訊いたことも、俺には訊きたくないとでも言うのだろうか。

俺と真輝への態度はまったく別物――そんな空気を感じる。

それでも、やがて、訊いてきた。

「仮に、時間に影響されないモノがあるとしたら、それは生きてるんでしょうか?」

「……」

実に……うむ。いろいろと面倒なことに遭った日だが、その代償には充分なくらい、実におもしろい質問だった。

俺の好きな類いの話だ。
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