† of Ogre~鬼の心理
あれこれ自分の中で整理しつつ、より正確に答えられるよう、こちらからも訊く。

「その、時間に影響されてないモノは、生物か? 無生物か?」

フジオカは、わかりません、と答えた。どちらかわからないから、聞いてるんです、と付け加えられる。

「動くか?」

「動きます」

「喋るか?」

「喋ります」

「では、お前はそれが生きていると思えるか?」

フジオカが、うつむく。

その反応で、こちらも合点がいった。

「なるほど」

コーヒーを一口飲み、答えてやる。

「それは生きているモノでも、生きていないモノでもない。そこに存在しているモノだ」

フジオカと真輝の目が、一直線に俺へ向く。

興味が浮き彫りになっている目ではあるが、俺の言葉は理解してないようだ。

「そういう存在があるとしたら、それは思念体だ。生きても、死んでもいない。いや、初めから命などない、ただそこに残されて、固定されて、ただ在るモノだ」

意味をわかっているのかいないのか、二人はうなずく。

長い長い説明になるから、もう一口コーヒーを飲んで、喉を潤しておく。
< 112 / 414 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop