† of Ogre~鬼の心理
第十七節
† 第十七節
仁もアルもコーヒーを入れるのが上手なのだが……風間のはそれに劣らない味だった。
深みはないが、奥行きがあったのだ。
風間が帰ってから、私は空になったカップに目を落としたまま、訊いた。
「で、どうだったの?」
主語を省略したこれに、食事をするテーブル席についている仁は、察して答えてくる。
「あー、俺の嫌いなヤツだった」
カン カ
それは、仁が干戈を交えた、例のヤツのこと。
位置的に、私は彼女の背中を見る。
「具体的な特徴とかは? 今後は気配以外でも見分けられるようにしたほうが都合いいわ」
ところが仁は、
「特徴なんざ覚えなくとも、実際に相対してみろ。どんなに隠蔽されても、目で見れば存在感で瞬時に理解できるぞ。つっても、隠蔽されていた場合、本当に目で見なけりゃわからんがな」
かんらかんらと笑い、真面目に取り合わなかった。
仁もアルもコーヒーを入れるのが上手なのだが……風間のはそれに劣らない味だった。
深みはないが、奥行きがあったのだ。
風間が帰ってから、私は空になったカップに目を落としたまま、訊いた。
「で、どうだったの?」
主語を省略したこれに、食事をするテーブル席についている仁は、察して答えてくる。
「あー、俺の嫌いなヤツだった」
カン カ
それは、仁が干戈を交えた、例のヤツのこと。
位置的に、私は彼女の背中を見る。
「具体的な特徴とかは? 今後は気配以外でも見分けられるようにしたほうが都合いいわ」
ところが仁は、
「特徴なんざ覚えなくとも、実際に相対してみろ。どんなに隠蔽されても、目で見れば存在感で瞬時に理解できるぞ。つっても、隠蔽されていた場合、本当に目で見なけりゃわからんがな」
かんらかんらと笑い、真面目に取り合わなかった。