† of Ogre~鬼の心理
こちらは平安な生活を守るために訊いているんだ。

もしなんなら、本当に一生ものの傷をつけてやろうか。

それとも、その偽物だらけの体を『感染』させてやろうか。

――などなど冗談半分の、大して脅しにもなっていない脅しで、仁も口を割った。

もとより、彼女だって情報交換の重要性はわかっているのだ。

「長い黒髪と、黒のワンピースドレス。ブーツ履いてたぞ。大和撫子だったけどな、アルの好みっぽい儚げな女だ。そうだな、イメージしやすい和風幽霊女の、洋服バージョンって見た目だ」

「そう」

仁の比喩は、相変わらず微妙だ。

 、、
「系列は?」

「さてな。大した呪文は口にしてなかったせいで特定しにくいが、恐らく、東洋呪術だろう。自信は五分五分だ。それと、先天的な能力もあると思って間違いないな、ありゃ」
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