† of Ogre~鬼の心理
「魔術は学問だろ。極論だが、多少複雑だろうと数学のように手順を踏んだ公式さえ組むことができりゃ、だれにでもできる。

若干の燃料というか、才能の有無はあるわけだが……そうだな、こう言ったら生粋の魔術師に蹴り食らいそうだが、やろうと思えばその辺のガキにもできるんじゃないか? そういう普遍性の高いのが魔術だ。

だがな、魔法ってのはそうはいかん。『代償』が必要不可欠だ。これも、単になにか支払えばいいってわけじゃない。『代償を払う相手』がいて初めて、意味がある。

契約っつってな、その『道』の連中と手を組む。契約が成功しなけりゃ、その時点で無理だな。相手に認められ、そこで初めて『代償』の『報酬』が支払われる。俺が大々的に使ってんのはこっち。だから俺は、魔術師じゃなくて魔法使い。

めんどくさい公式が要らん分、魔術より即興性に長けるが、いろいろ苦労するもんだ、魔法ってのは。だからでかい魔法ならなおさら、おいそれとは使えやしない。

あ、ちなみに俺が作った『文字のやつ』は独自開発の公式だが、魔術だぞ。違い、わかるか?」
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