† of Ogre~鬼の心理
第十九節
† 第十九節
仁と、なぜかはわからないが、仕事をほっぽり出して文字通り飛んで帰ってきたらしいアルから、私はお説教を受けていた。
「いいかい、真輝ちゃん」
と、私の前、グラステーブルを挟んだソファーに座るアル。
「君の力は本能的だけど、だからこそ、それを制御してもらわないと困るよ。今はヘンなヤツもいるし、仁が攻撃されたってことはなおさら、注意してくれなくちゃいけない」
チラリと、アルが食卓のほうを見る。
仁はそこで、さっきのようにタバコを吹かしていた。
「仁、大丈夫?」
というアルの問いに、
「ああ。一箱分ぐらい吸えば元通りだろうよ。そう何度も訊くな」
彼女はめんどくさそうに答えた。
彼のメガネのレンズが、再び私へ向く。
数秒、観察される。不思議なものでも見るように。
「真輝ちゃん、もしかして君――真鬼の勢力が強まってないかな?」
「まさか。それはない」
と即答した。
仁と、なぜかはわからないが、仕事をほっぽり出して文字通り飛んで帰ってきたらしいアルから、私はお説教を受けていた。
「いいかい、真輝ちゃん」
と、私の前、グラステーブルを挟んだソファーに座るアル。
「君の力は本能的だけど、だからこそ、それを制御してもらわないと困るよ。今はヘンなヤツもいるし、仁が攻撃されたってことはなおさら、注意してくれなくちゃいけない」
チラリと、アルが食卓のほうを見る。
仁はそこで、さっきのようにタバコを吹かしていた。
「仁、大丈夫?」
というアルの問いに、
「ああ。一箱分ぐらい吸えば元通りだろうよ。そう何度も訊くな」
彼女はめんどくさそうに答えた。
彼のメガネのレンズが、再び私へ向く。
数秒、観察される。不思議なものでも見るように。
「真輝ちゃん、もしかして君――真鬼の勢力が強まってないかな?」
「まさか。それはない」
と即答した。