† of Ogre~鬼の心理

第二節

† 第二節



リビングと通しになっているダイニングに入ってすぐ、麻のエプロンをかけた金髪のメガネ男が挨拶してくる。

「おはよう真輝ちゃん。昨日はよく眠れ――たみたいだね」

勝手に断定して笑みを明るくするメガネ男・アルは、プチトマトを添えた目玉焼きの皿を丸テーブルに置いた。

皿を運ぶところから置いた瞬間、その指先まで洗練された動きは、さながら最高の執事といったところだが……

彼は仕える立場ではない。

近辺でも特段大きい一戸建てであるここの、家主だ。



「おいアル、新聞に面白い記事載ってるぞ」

「へぇー、どんな?」

玄関へ新聞を取りに行っていたらしい仁が、私の横を抜け、朝食の据えられた席のひとつに座った。
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