† of Ogre~鬼の心理
たとえば私の最初に覚えた快楽である『人食い』も、本来は真鬼からの衝動だ。
真鬼がひとつ目覚めれば、真輝もひとつ、目覚める。
真鬼がふたつ目覚めれば、真輝も同様。
真輝と真鬼。
真鬼と真輝。
彼女は弾丸であり、私は銃にして、引き金のようなもの。
彼女は抜き身の刃であり、私は柄、そして鞘のようなもの。
言葉にすれば、なんてややこしいことだろうか……
それはただの、私の『力』でしかないのに。
同一の存在でしかないのに、違うものなのだ。
「気をつける」
ようやく返事をすると、満足いったらしいアルは、よし、とひとつうなずいた。
それから、くるりと仁へ向き直る。
「さて、と。ご飯にしようか……って言いたいところだけど、仁、食料はないんだろ?」
「――ああ」
なにもかも見越したアルの言葉と、やけにあっさりした仁の言葉が、私にはわからない。
真鬼がひとつ目覚めれば、真輝もひとつ、目覚める。
真鬼がふたつ目覚めれば、真輝も同様。
真輝と真鬼。
真鬼と真輝。
彼女は弾丸であり、私は銃にして、引き金のようなもの。
彼女は抜き身の刃であり、私は柄、そして鞘のようなもの。
言葉にすれば、なんてややこしいことだろうか……
それはただの、私の『力』でしかないのに。
同一の存在でしかないのに、違うものなのだ。
「気をつける」
ようやく返事をすると、満足いったらしいアルは、よし、とひとつうなずいた。
それから、くるりと仁へ向き直る。
「さて、と。ご飯にしようか……って言いたいところだけど、仁、食料はないんだろ?」
「――ああ」
なにもかも見越したアルの言葉と、やけにあっさりした仁の言葉が、私にはわからない。