† of Ogre~鬼の心理
自分の分身を生み出すことが、そのたとえ話に出てくる少年の能力だった。

そしてそれなら、同じだけれど違うものを作り出すことができる。

違うけれど同じもの、同じだろうが違うものと、アルが感知したそれを仮定するなら――

たしかに似通う点もあるが、明らかに違うのは、ソレはただ同じだったということ。

、、
違う点はない。

が、アルが感知した振幅の変化に、それを無理やり当てはめるなら――

「人形遣い――という線はないのかな?」

と、アルが先に私の推測を口にした。

そうもしも仮に、ヤツが人形遣いの差し向けた、特殊な人形――

キラー・ドール
殺人兵器だとしたら?

破損したソレを、新しいものと置き換えることくらいできるのではないだろうか。

が、仁はたった一回、しかし強く、首を横に振る。

「そりゃあない。実際に見たから断言できる。人形なら人形とわかるもんさ。どんなに精巧でもな。

ずいぶん前に造形美と機能美、世界でそれぞれ最高傑作って言われてる人形を見せてもらったことがあるんだが……

ま、どんなに高度でも人形は人形でしかなかったぞ。いくらなんでも、生身との区別はつく」
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