† of Ogre~鬼の心理
「君の清々しさはほんと、時々気持ちがいいね」

「褒め言葉として受け取っておくわ」

「ふふ……それでもう少し淑やかさが出れば、最高に美人なのにね、真輝ちゃんは」

その時。

『――そうして黙ってると最高に美人なんだけどね――』

風間の言葉が脳裏に過り、一気に腹が立った。

いつもはなんともないはずが、アルのやたらニコニコしている顔も、気に障る。

「うるさいわよ、偽善の紳士め」

偽善――本当のことだが、そう言われるのに、アルは弱い。

思惑通り、彼の表情は穴の空いた風船のようしぼんだ。

「ほんとのことなのに……」

と、しつこく漏れた一言も、黙殺してやった。
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