† of Ｏgre～鬼の心理

「本来の自分を押し殺していきるのって、息がつまるでしょ？ でも完全に我を通しては生きらんない。世間と自分のちょうど間、折り合いを見つけなきゃなんない」

それが？　と訊ねると、彼はやはり笑顔のまま、しかし器用に器用に激昂した。

「でも実際、みんなその折り合いより、一歩引いちゃってる！　真輝、君なんか特にそうだ！　僕はそれが、どうしてもおかしいって思う!!」

なにを考えて思って、そう言うの？

「君は、ほかのひとよりもずっと、君を抑圧しすぎてる――そう思うんだ」

やや落ち着き始める言葉。

「でも――わかるんだ。君は、自分を抑圧しなきゃいけないんだろう？　人一倍、自分を殺さなくちゃいけないんだろう？　だから、どうしょうもないのはわかってると思う。……でも、僕は納得がいかないんだ」

お前が私のなにを知っているの？　知ったようなことを言ってくれる。

お前に、そしてなにがわかるの？　私の名前と容姿以外、なにも知らないのに。