† of Ogre~鬼の心理
「よんじゅーどはちぶ? ほう、ふむ、なんともおもしろい。人間でも稀にない高熱を、真輝がね。まったくもって実に興味深い」

「仁、おもしろがってるような状況かな、これは」

いつまで経っても起きてこない私を見かねた二人の診察によって、見事に打ち砕かれた。

電子式の体温計をケースにしまい、ニヤニヤと腹立たしい笑みを浮かべる仁。――を、アルがたしなめる。

「あんまりふざけてないで、薬かなにか調合できるなら早くしてあげて」

「いや、だがなぁ……」

「だがなぁ、じゃないよ。これがもし、ヤツが仕掛けてきた呪術だとしたら? 人外に観戦するウイルスなら? 楽観視できるものじゃない。だから、」

「要らない」

あれこれと推測するアルを、私は簡潔に遮った。

冷えて固まっていく鉄のように凝った上半身を、ゆっくりと起こす。

こちらへ向く二人を、じ、と見上げた。
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