† of Ogre~鬼の心理
特に真輝はそうだ。学校で満足に友達を作っている――様子は全くない。

昨日はフジオカという少年と一緒だったが……あれは果たして友達だろうか。

断定できる要素はない上に、アイツの性格を考えるとむしろ、友達とあれはなにか違う気がする。

恋人という関係はありえない。友達とは考えられない。

下僕か? いや、それもないだろう。

不思議な少年だった。

「おぅい草薙、コーヒー、ブレンドでひとつ」

「応よ」

短くこたえ、皿洗いを途中で切り上げる。

店長の入れるコーヒーも美味いのだが、俺のコーヒーが好きだというヤツもいて、今のように注文を受けることもある。

今日来ている小太りも、その物好きなひとりだ。まぁ、嬉しいことに変わりはない。

手早く準備して豆を挽きながら、昨夕、奇抜な質問を吹っ掛けてきた小僧をより鮮明詳細に思い出す。

顔は初めて見たが、ペンキを塗ったくったような少しいけ好かない笑みには、なぜか覚えがある。

同じく、真輝が呼んだ『フジオカ』という響きにも、覚えがある。
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