† of Ogre~鬼の心理
春先も過ぎ、もはや初夏。
徐々に気温と湿度が上がっていくこの季節にありながら、ヤツの衣装は丈長で長袖、完全な黒ずくめ。
神に仕える気もないくせに神父服に袖を通した、狐目の似非人物が、そこにいた。
「久しいではないですか、草薙仁。相変わらず麗しい姿のようで」
「っ……なにしに来た、この狐が」
俺は、ダサい格好でしかない俺をわざわざそう称するこの男が、大嫌いだ。
ついでに言うのなら、
「いえ、少々、おもしろいことになっておりましてね」
「なにが、おもしろいことだ……疫病神の分際で」
ヤツがおもしろがることの、なにひとつ、俺はおもしろいとは感じない。
だから俺は、コイツが大嫌いなのだ。
まったくもって、死んでいればよかったものを……。
徐々に気温と湿度が上がっていくこの季節にありながら、ヤツの衣装は丈長で長袖、完全な黒ずくめ。
神に仕える気もないくせに神父服に袖を通した、狐目の似非人物が、そこにいた。
「久しいではないですか、草薙仁。相変わらず麗しい姿のようで」
「っ……なにしに来た、この狐が」
俺は、ダサい格好でしかない俺をわざわざそう称するこの男が、大嫌いだ。
ついでに言うのなら、
「いえ、少々、おもしろいことになっておりましてね」
「なにが、おもしろいことだ……疫病神の分際で」
ヤツがおもしろがることの、なにひとつ、俺はおもしろいとは感じない。
だから俺は、コイツが大嫌いなのだ。
まったくもって、死んでいればよかったものを……。