† of Ogre~鬼の心理
第二十三節
† 第二十三節
仁や真輝ちゃんに言い損ねたことが、二つ。
ひとつ――遺体に新しい傷がついていたこと。
ふたつ――今や肉体も魂もない彼を目撃したこと。
言い損ねた……というよりむしろ、言う必要性をとかく感じなかったというほうが、ニュアンスは近い。
そしてそこからまた、言うのが憚られたと繋げれば、相当僕の心境に近づける。
遺体の傷――これは僕の勝手な見解になるのだけれど、なにかのメッセージ、あるいは内村の言うとおり、ただ運んだ時の傷だと思う。
願望で言えば、偶然的についてしまった後者の傷であってほしい。
が仮に、世界が僕の望まない方向へ作用していたら……あの傷の真意は、謎だ。
遺体が焼かれていたこともあるから、メッセージとしての可能性は否定できない。
あのあと、内村に詳しく情報を確かめてもらったところ、傷は打撲ではなく裂傷らしい。
仁や真輝ちゃんに言い損ねたことが、二つ。
ひとつ――遺体に新しい傷がついていたこと。
ふたつ――今や肉体も魂もない彼を目撃したこと。
言い損ねた……というよりむしろ、言う必要性をとかく感じなかったというほうが、ニュアンスは近い。
そしてそこからまた、言うのが憚られたと繋げれば、相当僕の心境に近づける。
遺体の傷――これは僕の勝手な見解になるのだけれど、なにかのメッセージ、あるいは内村の言うとおり、ただ運んだ時の傷だと思う。
願望で言えば、偶然的についてしまった後者の傷であってほしい。
が仮に、世界が僕の望まない方向へ作用していたら……あの傷の真意は、謎だ。
遺体が焼かれていたこともあるから、メッセージとしての可能性は否定できない。
あのあと、内村に詳しく情報を確かめてもらったところ、傷は打撲ではなく裂傷らしい。