† of Ogre~鬼の心理
「ところでさ内村、君はその情報を得て、どう思うかな……?」

「どう思うって……?」

そうとも。

僕は、僕の仕事へ専念する。

僕がやるべきことは真輝ちゃんの心を掻き乱すことじゃなく、例のヤツをどうにかやり過ごすこと――

そして、彼女の所業を刑事という人間の立場を利用して、上手く誤った正解へ先導することだ。

(そのために)

よし、と心の中で頷いた。

東城真輝の私生活を守るために、とりあえずもとにかく、頭を働かせる。

少し、悪い方向へ。

「だからね内村、君さ、今回の犯人をどう思う?」

「うん~、少しイっちゃってると思いますよ。やることがあれですし」

彼の頭の中には、あのブルーシート下の映像が浮かんだのだろう。なんとも言えない苦笑が見えた。

僕も、少し苦笑する。

あれを思い出しちゃ、ハンバーガーは食べられないだろう。僕は食べるけど。

「じゃあ、あんなことした犯人なら、これからなにをすると思う?」

と続けて問う。もちろん、わけあってだ。
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