† of Ogre~鬼の心理
内村、君の瞬間推測は、平凡だからこそさすがだ。

下手に難しく考えない、そこが内村のいいところだ。

「さてそれじゃあ、今度は犯人の手口を考えてみよう。鑑識の報告じゃ、頭部圧砕が直接的な死因で、ほかにも全身に切り傷、火傷があったね」

「ありましたねぇ、腹は掻っ捌かれてましたし、それに切り傷やら火傷やら」

「うん」

自分で言ってから、そうだ火傷の件もあったと、胸中だけで舌打ちする。

真輝ちゃんが遺体を燃やすはずがない。そんな能力がないから。

だとすれば、あれは第三者による燃焼だろうけど……

その第三者の見当がつかない。

まあ、ヤツを拿捕したら、ついでに問い詰めてみようか。もしかしたらそれで片付くことかもしれない。

内村が頷く。

「頭部の砕き方も、肉の焼き方も、常軌を逸してますね。本当に、アルさんの言ったまんまの言葉が新聞のみ出しに使われてましたよ。猟奇的なんたらって」

「はは。光栄だね」

まさか、そんなふざけたヤツがいるなんて、笑える。
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