† of Ogre~鬼の心理
腕時計に目を落とす。
お昼過ぎ、か。まだまだ、作戦決行には時間がある。
例のヤツは今晩、片付ける。事件はこのまま、暗黒に葬り去る。そしてすべてジ・エンド。
それが僕の理想だ。
(難しくないさ。今までもずっと、そうやってきた。大丈夫、あしらえる。そうだろう、僕。なによりこちらは三人、向こうはひとりだし)
そんなことを自分に言い聞かせながら、さてころからどうしようかと考えた時、
「アルー、電話だー」
重さんから、お声がかかった。
刑事課でも特に煙たい空気が漂っている、いわゆる上座のほうから、くたびれコートの袖がぶらぶらしている。
名指しなんて……珍しい。確認する。
「僕に、ですか?」
「ああっ、お前に、だ。外線三番、風間ってヤツからな」
「はあ、わかりました。三番ですね」
「そう言ったぞ」
「了解です」
答えながらも、大してものの乗っていない自分のデスクにある受話器をあげながら、思いきり首を傾げる。
かざま――僕も長いこと生きているけれど、聞いたことのない名前だった。
お昼過ぎ、か。まだまだ、作戦決行には時間がある。
例のヤツは今晩、片付ける。事件はこのまま、暗黒に葬り去る。そしてすべてジ・エンド。
それが僕の理想だ。
(難しくないさ。今までもずっと、そうやってきた。大丈夫、あしらえる。そうだろう、僕。なによりこちらは三人、向こうはひとりだし)
そんなことを自分に言い聞かせながら、さてころからどうしようかと考えた時、
「アルー、電話だー」
重さんから、お声がかかった。
刑事課でも特に煙たい空気が漂っている、いわゆる上座のほうから、くたびれコートの袖がぶらぶらしている。
名指しなんて……珍しい。確認する。
「僕に、ですか?」
「ああっ、お前に、だ。外線三番、風間ってヤツからな」
「はあ、わかりました。三番ですね」
「そう言ったぞ」
「了解です」
答えながらも、大してものの乗っていない自分のデスクにある受話器をあげながら、思いきり首を傾げる。
かざま――僕も長いこと生きているけれど、聞いたことのない名前だった。