† of Ogre~鬼の心理
本当にそうならば、その襟首を引っ掴んで首をがったがた言わせてでも情報を吐き出させてやる。

コ イ ツ
この男に対して、遠慮だとか容赦だとかいう概念は、生憎持ち合わせてやってないのだ。

「そう、見えますかな? 聞こえますかな?」

「白々しい言い方はやめろよ一ツ橋。こうして俺に接触してきたんだ。なにか言いに来たとしか思えん。ついでに、なにか俺に持ちかけようって腹だ、そうだろう」

「これはこれは、またずいぶん警戒されたものです。否定は、しませんがね?」

いつまでおどけているつもりか知れない一ツ橋が……しかし急に、表情を消した。

次いで表れたのは、若干、険の鋭い眼差し。

この男が珍しく、俺の前で教会使徒の顔をしていた。

それが、本題への転換。

肘を突き、組んだ指と指らで顔の下半分を隠した一ツ橋は、溜め息に言葉を混じらせる。
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