† of Ogre~鬼の心理
「姉巫女が、目覚めたようでして」
「姉巫女? ……だれだ、そりゃ」
「今より数百年と昔、この地を訪れ、この地に縛られた姉妹巫女がおりましてな。ご存知ありませんかな?」
「ンなもん知っている。だから話せ。手短にな」
「はてさて、そうは言っても、どこからなにからお話したものか、ふふ」
再びカップに手をやり、ようやく今度こそコーヒーに口をつけたツ橋は、一拍、開けた。
からん、と店のベルが鳴る。どうやら新しい客が入ってきたらしい。それか、あの二流作家が出ていったのかもしれない。
が、店主の「いらっしゃいませ」という声が聞こえた。どうやら新客の来店らしい。
ひょっとしたら小休憩を切り上げて手伝えというお達しが来るかもしれない。
一ツ橋にはひとつ、言葉のデコピンでも食らわせてやりたい。
「なあ一ツ橋、時間は無限じゃないし、俺は暇じゃないんだ。どうにも長生きするとその辺が曖昧になっちまうが、一日は二十四時間だ。これは変わらん。話せるならとっとと話せ」
「ええ、ええ、お話ししましょうとも。あー、さて草薙さん、アナタ、この土地についてはなにかご存知で?」
「質問範囲が広い。質問ならもっと定義して、明確に訊け」
「姉巫女? ……だれだ、そりゃ」
「今より数百年と昔、この地を訪れ、この地に縛られた姉妹巫女がおりましてな。ご存知ありませんかな?」
「ンなもん知っている。だから話せ。手短にな」
「はてさて、そうは言っても、どこからなにからお話したものか、ふふ」
再びカップに手をやり、ようやく今度こそコーヒーに口をつけたツ橋は、一拍、開けた。
からん、と店のベルが鳴る。どうやら新しい客が入ってきたらしい。それか、あの二流作家が出ていったのかもしれない。
が、店主の「いらっしゃいませ」という声が聞こえた。どうやら新客の来店らしい。
ひょっとしたら小休憩を切り上げて手伝えというお達しが来るかもしれない。
一ツ橋にはひとつ、言葉のデコピンでも食らわせてやりたい。
「なあ一ツ橋、時間は無限じゃないし、俺は暇じゃないんだ。どうにも長生きするとその辺が曖昧になっちまうが、一日は二十四時間だ。これは変わらん。話せるならとっとと話せ」
「ええ、ええ、お話ししましょうとも。あー、さて草薙さん、アナタ、この土地についてはなにかご存知で?」
「質問範囲が広い。質問ならもっと定義して、明確に訊け」