† of Ogre~鬼の心理
俺は魔法使いである前に魔術師だ。

魔術というのは、世間での認識はどうだか知らんが、突き詰めれば探求するという行為になる。

できるだけ事細かに、現象や理論を構築する。

俺の思考回路もそれに沿っている。

だから漠然とした問いかけをされても困る。が、勘違いせんでもらいたいこともある。

「言っとくが、お前の質問の意味がわからんとかじゃないぞ。お前の質問に、いったいどの返答が最適か考えるのが面倒くさいから言ってるんだ」

「ええ、ええ、それはそうでしょうとも。アナタは面倒くさがり屋ですからな」

コイツは……そこまでわかってて言っている。

俺は背もたれに体重を預け、腕を組み、若干ながら顎を上向けた。

こうすれば、少しでも一ツ橋を見下してやれる。揺りかごをしながら、ふてぶてしく足も組んでやった。

「なら、ちゃっちゃかきりきり口を動かせ」

「いやはやそうしましょう。今のうちから〝千約〟の機嫌を損ねる必要もないでしょうしねぇ」
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