† of Ogre~鬼の心理
「それで。その昔の事件とあの女、どう関連している?」

「おや、これは〝千約〟らしからぬ質問ですな? そこまでもお訊ねになると」

「その名を呼ぶな」

「お嫌いで?」

「お前に言われると特に、だれよりも特に、虫酸が走る」

「ほ、ほ。さようですか。――して、アナタは本当に関連はわかりませんかな?」

「……あー……いや、なるほど。『姉巫女が目覚めた』……か」

最初に一ツ橋が言った。姉巫女が目覚めたと。

わざわざ訊き返してしまった俺が、まるでバカのようだ。

俺の、一ツ橋なんて男は死んでしまえ、お前なんざ大嫌いだ精神に、火がついた。

俺のほうから話を進めてやる。

まずは大きな予測を投げかけてみた。

「その目覚めた姉巫女……というのは、今、俺達が相対している例の女か」

「ええ」

と、肯定のワンアクション。首が縦に振られた。狐目は、相変わらず細い。

しかし……なるほど。今ので少し、あの女の正体が読めてきた。
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