† of Ogre~鬼の心理
あの女と、数百年前この土地で死んだ姉巫女がイコールで結ばれるのなら――あの女はまず、人間ではない。

そして、巫女という特性と、過去この土地でなにがあったのか、そしてアルの言っていた現象を踏まえれば――ヤツの正体も、今のありようも、定義できる。

肝心なのは、その姉巫女がなぜ目覚めたのか、そしてなぜ真輝や俺達を攻撃してくるのか。

少しの黙考に浸っていると、一ツ橋がやらしい笑みを浮かべた。

それがあまりに気持ち悪かったせいで、イヤでも現実に引き戻される。

いいや、今のは本人にしてみれば愛想笑いのようなものだろう。が、青白い顔をした狐目男に微笑まれたところで、不気味なだけだ。

「少し、彼女について詳しくお話ししましょうか」

カップを置き、指をさっきとは逆に組んだ一ツ橋に、待ったをかける。

ゆらゆらしていた椅子を落とし、前のめりになった。一ツ橋を、正面から睨む。
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