† of Ogre~鬼の心理

独節

♪ 独節



しゃらんしゃらん。

待っていた甲斐があった。

やはり、見事、鬼は来た。

言っていたのだ、少年が。

鬼はここへやって来ると。

私はそれを信じてやった。

そして、それは実現した。

しゃらんしゃらん。

待っていた甲斐があった。

いっそ、当然、鬼は来た。

少年が、言っていたのだ。

鬼がここへやって来ると。

私はそれを理解していた。

私はそれを予測していた。

いや、むしろ、期待した。

しゃらんしゃらん。

だから私は、実体化した。

心音が、なお、聞こえる。

私の存在意義が、脈打つ。

しゃらんしゃらん。

しゃらんしゃらん。

長い時の中で、変わった。

私も、世界も、変わった。

しかし、脈動は変じない。

そして、使命は消えない。

否、消えては、くれない。

人々の、切望も、希望も。

人々の、身勝手と欲望も。

ゆえにこそ、なせるのだ。

だからこそ、なそうとも。

しからずんば、ならない。

  コイネガ
私は 希 われたのだから。

希われて、しまっだから。

しゃらんしゃらん。

存在の意義と是非を問え。

標的は目前、直線にある。

すべて予定と調和にある。

ひとつ、言霊を手繰った。

「ご機嫌、いかがかしら? 東城の〝鬼姫〟」

しゃらんしゃらん。



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