† of Ogre~鬼の心理
頭がぐらぐらする。喉が爛れたように呼吸がしづらい。手足に埋まる鉛の重みが増しているようで、背筋が痛い。ずきずきではなく、じゅくじゅくする。火傷のように。もしくはそう、まるでなにかが私の背を突き破り、孵化しようとしているようだ。

理性による統御が利かない。本能が喘いでいる。悶えている。汗がすさまじい。ひとえと肌の間に迷い込むそよ風が冷たい。

ああ、熱い。苦しい。痛い。そしてなにより腹立たしい。気持ちが悪い。なにが私をこうしたのか。藤岡は? 藤岡悟は? なぜいない? いない? なぜ? 声はしたのに? なぜ、なぜ? 不明瞭だ不明快だ不爽快だ。総じて混沌なのだ。

頭が痛い。喉が焼けついたように痛い。身体中が硬くなっていく一方で、とろけるように熱い。苦しい。藤岡がいないせいだ。もうわけがわからない。なぜ、なぜなぜ、なぜなぜなぜ、こうなった。藤岡悟はどこにある。わけがわからない。
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