† of Ogre~鬼の心理
まったくもって……昨日練った作戦では、女と干戈を交えるのは日暮れ、もしくは夜になってからだろうに。

なにより、ヤツと直接の先頭を行うのはアルで、お嬢さまは後方支援というのが作戦のはずだ。

それがなぜ、自分から……。あの時「でしゃばるまでもない」と頷いていたのはどこのどいつだ。

なんにせよ、俺もアルもバラバラの状態では、作戦もへったくれもない。

だいたい、真輝は風邪っぴき(か?)で寝込んでいたはずだ。それがどういうつもりで南区で暴れているのか。なにがあったのか。

はなはだ、笑えたもんじゃない。

「ふうむ。なにも考えていない、あるいは考え過ぎてショートした、と思っておくのが妥当ではありませんかねぇ? 鬼とはそういうものでしょう。衝動を糧に生きているのですからね」

と、一ツ橋が先の独り言へご丁寧な合いの手を入れてきた。

まったくもって不必要な気遣いだ。だれが今の言葉を拾ってくれと言ったか。
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