† of Ogre~鬼の心理
戦場は整った。あとは真輝ちゃんに合流するだけだが……
、、、、、、
まだ飛ばない。
「聞いておきたいんだ、仁」
《あん?》
「あの女の正体。わかったんだろ?」
《ン? ああ》
なんだか少し、仁は笑ったようだった。
そう、それは仁がとてもおもしろいものを見つけた時の、笑い方。声そのものではなく、調子で笑う。
こと『おもしろいもの』に敏感で目がない彼女らしく、きっと腕組みでもしながら、少し顔を俯けて肩を揺らしているのだろう。
――そんな予想を立てているところへ、仁が答えた。
《あの女はな、思念体だよ》
「思念体……?」
《0でもなく1でもなく、生きても死んでもいない。ただ目的を達成するためにのみ、遥か数百年前から、この土地に縛りつけられた巫女の、な》
「巫女、か……」
「そう。それもただの思念体じゃない。コイツはちょいと特殊なケース……即身仏なんだよ」
即身仏――僕にはちょっと、耳慣れない単語だった。
、、、、、、
まだ飛ばない。
「聞いておきたいんだ、仁」
《あん?》
「あの女の正体。わかったんだろ?」
《ン? ああ》
なんだか少し、仁は笑ったようだった。
そう、それは仁がとてもおもしろいものを見つけた時の、笑い方。声そのものではなく、調子で笑う。
こと『おもしろいもの』に敏感で目がない彼女らしく、きっと腕組みでもしながら、少し顔を俯けて肩を揺らしているのだろう。
――そんな予想を立てているところへ、仁が答えた。
《あの女はな、思念体だよ》
「思念体……?」
《0でもなく1でもなく、生きても死んでもいない。ただ目的を達成するためにのみ、遥か数百年前から、この土地に縛りつけられた巫女の、な》
「巫女、か……」
「そう。それもただの思念体じゃない。コイツはちょいと特殊なケース……即身仏なんだよ」
即身仏――僕にはちょっと、耳慣れない単語だった。