† of Ogre~鬼の心理
熱い。熱いのだ。

喉は乾いているし、頚椎は焦げるように痛い。擦り剥いたような、叩かれたような、摩擦的な痛みと熱さ。

これを解消するには、衝動のまま運動することで熱を放出し、喉の乾きを鮮血で潤せばよい。

そう、衝動を発散しなければならない。

あの女は、わたくしにとって、その獲物なのだ。

そうだろう、真輝よ――と自問しては、苦笑する。失笑もかねている。

自分との会話は不可能ではない。

ただ、自分の中に作り上げたなにかと対話するのは、かわいい。

自分の中に初めから本当に存在するもうひとりの自分との対話は、実にえげつない。

そんなことを、真輝は思っている。難儀な真輝だ。

わたくしという自分を内包していながら、わたくしという自分と会話することは、えげつないと言うのだ。

さような心理は、ただのまやかしでしかない、というに。
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