† of Ogre~鬼の心理
熱い――わたくしのあらゆる熱が、ヤツへ走れと駆り立てる。

わたくしの欲望が、解放による発散と蒸散とを望んで、衝動を加熱しているのだ。

熱い、熱い熱い、熱くてもう、我慢ができない。喉が乾いた。それを潤すための獲物は、今、わたくしの領域内にいる!

確実に捉えるための呼吸を瞬時に整え、低い姿勢のまま、駆け出す。

そこで女がこちらの動きに気付いたようだが、遅い。

ヤツが腰を浮かした時には、

(叫ぶいとまさえ)

「!?」

(与えはしない)

わたくしはすでに、その眼前にいた。そして右腕を大きく振り被っていた。体重と速度を乗せ、突き出す。

女の腕が、下から迫っているのが見えた。振り上げる、中途にあった腕。恐らく、あの不可視の力を振り抜かんとしているのだろうが――遅い。

わたくしの掌が女の腹をぶち抜くのが、半秒、いや、充分に丸々一秒、早かった。
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