† of Ogre~鬼の心理
まあ、当たらずとも遠からずだろうし、そんな憶測は一兆年繰り返したところで現実への干渉をなさない。

僕は魔法使いでも超能力者でもないのだから。



興味の矛先を変え、

「で、遺体は?」

僕は短兵急に訊ねた。

気分転換の早さでは、実直やら不躾やら言われる僕だが……できるなら実質本意だと言ってもらいたい。

内村が、あちらです、と周囲をぐるりと覆う人垣から一番遠い中心に置かれたブルーシートを指す。

周囲の観客も、こんなところで野次っているなら早々と出勤したほうがいいのではないだろうか。

そんなことを思いながらシートへ近づく。

ついでに言うなら、僕が日系人ではないからといって、物珍しそうに指を差しながらはしゃぐのもご遠慮願いたいところだ。
< 29 / 414 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop