† of Ogre~鬼の心理
出口は真上なんだ。吹き飛ばされるわけにはいかない。
全身全霊を込めて踏ん張った僕は、気力でジャンプした。一気に、奔流から抜け出す。スーツがずたぼろになっていた。
トンネルを脱出し、宙高く飛び上がったここまで、地下の轟音が響いてくる。
まるで大蛇が暴れているような、鈍い音だ。
と、穿ったばかりの穴から、黒い物体が飛び出してくる。無論、女だ。
その右手が、槍でも構えるように、錫杖を横に振り被っている。
「逃がす、ものですか!」
しゃらんらん!
再び、あの鈴の音が一陣。横一文字に振り抜かれた錫杖の軌跡をたどり、三日月型の殺意と、あの衝撃波が押し迫る。
もし飛行機にでも当たろうものなら、胴体を真っ二つにして空中で爆発させてしまうような破壊力だ。
それへ、
「悪いけど、」
右腕――狼の面を向ける。
「逃がしてもらうよ!!」
全身全霊を込めて踏ん張った僕は、気力でジャンプした。一気に、奔流から抜け出す。スーツがずたぼろになっていた。
トンネルを脱出し、宙高く飛び上がったここまで、地下の轟音が響いてくる。
まるで大蛇が暴れているような、鈍い音だ。
と、穿ったばかりの穴から、黒い物体が飛び出してくる。無論、女だ。
その右手が、槍でも構えるように、錫杖を横に振り被っている。
「逃がす、ものですか!」
しゃらんらん!
再び、あの鈴の音が一陣。横一文字に振り抜かれた錫杖の軌跡をたどり、三日月型の殺意と、あの衝撃波が押し迫る。
もし飛行機にでも当たろうものなら、胴体を真っ二つにして空中で爆発させてしまうような破壊力だ。
それへ、
「悪いけど、」
右腕――狼の面を向ける。
「逃がしてもらうよ!!」