† of Ogre~鬼の心理
第三十四節
† 第三十四節
大木ホーンタワーは、完成予定高度の中腹越え辺りで今、建設が止まっている。恐らく一時の停滞期だろう。
第一展望室となるだろうこのだだっ広い高台は、こうして立ってみれば、超展望のコロシアムのようだと思った。四角い、空中リングだ。
地上までは軽く百数十メートル。落ちたら死ぬのは必至だ。いや、必死か。
「南区に定義中の『領域』を撤回、新規登録公式『秘境』の解除を命じる」
起動中の魔術を解除した俺は、彼方の南でなにかが蒸発するのを見た。
紅蓮の粒子が霧散し、それこそ、憑き物でも散ったようだ。
反映され、南方へ設置していた護符からも、紅い光が消失する。
魔術の解除――要するにいわば、回路の電源を落としたのだ。
立っている四方に、魔術道具の代替品として符を据え、陣を敷いている。
これを一時停止させた俺は、ひとつ、溜め息をついた。背後へ振り返る。
高台の中央に近い位置で真輝を寝かしつけついたアルへ、言った。
大木ホーンタワーは、完成予定高度の中腹越え辺りで今、建設が止まっている。恐らく一時の停滞期だろう。
第一展望室となるだろうこのだだっ広い高台は、こうして立ってみれば、超展望のコロシアムのようだと思った。四角い、空中リングだ。
地上までは軽く百数十メートル。落ちたら死ぬのは必至だ。いや、必死か。
「南区に定義中の『領域』を撤回、新規登録公式『秘境』の解除を命じる」
起動中の魔術を解除した俺は、彼方の南でなにかが蒸発するのを見た。
紅蓮の粒子が霧散し、それこそ、憑き物でも散ったようだ。
反映され、南方へ設置していた護符からも、紅い光が消失する。
魔術の解除――要するにいわば、回路の電源を落としたのだ。
立っている四方に、魔術道具の代替品として符を据え、陣を敷いている。
これを一時停止させた俺は、ひとつ、溜め息をついた。背後へ振り返る。
高台の中央に近い位置で真輝を寝かしつけついたアルへ、言った。