† of Ogre~鬼の心理
「藤岡が、どう、したの……?」

「!?」

俺も、アルも、感覚のほうが先に知覚していただろう。

が、こうして振り返るまで、それを信じられなかった。

真輝が、立っている。

さっき、いくら一命は取り留めるにしても、大打撃を食らったはずの真輝が、立っている。

「ねえ……」

と、半開きの口が、半開きの瞳が未だに宿しているのは、鬼。

東城血族が姫と謳う、能力。

「藤岡が、どうしたの……?」

〝鬼姫〟――それはまったくもって、このお嬢さまには安すぎる名前だと、俺でさえ思わざるを得なかった。



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