† of Ogre~鬼の心理
熱い、熱い。熱いから、藤岡、私を、助けてちょうだい。

――ま、真輝、お前はもう少し横に――真輝ちゃん、今はあまり動いちゃ――お前が聞いたのは空耳だ、だれもなにも話しちゃ――

アナタにはわかるのでしょう。私のことがわかるのでしょう。わかってしまうのでしょう。

いつだって、私のことをなんでも知ったように、わかったように言ってたのだから。

今も、きっと、わかっているのでしょう。だから私に声を届けるのでしょう。

熱い熱い熱い――喉が焼けそう目玉が飛び出そう脳が沸騰しそう肺が蕩けそう臓器が煮立ちそう舌が裂けそうに――熱い熱い熱い熱い。

――いいから横になっていて、あとは僕らが――真輝、お前、自分がどんな状態かわかって――頼むよ真輝ちゃん、少しおとなしく――

「うるさい……うるさい、うるさいわよ、二人とも。私は今、藤岡と話したいの」

絞り出した意思には、

「そうよ藤岡……藤岡はどうしたの? 藤岡……藤岡は、……藤岡はどうしたのよっ!?」

烈火の吐息を孕ませた、鬼の声がした。

鬼?

鬼の声……?

ああ違う。私の声だ。
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