† of Ogre~鬼の心理
握り潰したのだから、それはそうだろう。

凶器というものの定義を『被害者を死に至らしめたもの』として無理に提示するなら、それは真輝ちゃんの場合は『手』だ。

「人間の顎を凶器もなしに圧砕する方法なんて、あるんでしょうかね?

それに、手足に見られる切り傷や、抉り出された内蔵も、どうしてそんなことをするやらで」

「怖いね」

と、率直な感想。そう、彼女はいざとなると、とても怖いのだ。

「でしょう? あまりにやりようがあれなので、ショック死が先だったかもしれないです。

――あ、それからもうひとつ奇妙なんですけどね?」

内村は一気に話すタイプだ。

無言で促し、続けさせてやった。
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