† of Ogre~鬼の心理
「被害者の身元はポケットに入ってた財布でわかったんですけど、ほかに持ち物が見当たらないんですよ」
「持ち物? それのなにが妙で……ああ、いや、なるほど。言いたいことがわかったよ」
と、僕は何度か頷いた。
昨日は雨だ。財布をポケットに入れていたということは、ちょっとしたお出掛けだったのかもしれない。
が、それでも傘くらい差すだろう。
なら、傘が現場証拠としてその辺にでも転がっていないとおかしい。
遺体は、レインコートを着ていないようだし。
最低限、近くに転がってしかるべき被害者の持ち物がないのは、たしかに妙に見える。
ただ、
「まあ、ということはつまり、実際の実行現場はここじゃない、っていうことなんだろうね」
僕はこの時、瞬時に感じ取っていたから、そうでもなかった。
「持ち物? それのなにが妙で……ああ、いや、なるほど。言いたいことがわかったよ」
と、僕は何度か頷いた。
昨日は雨だ。財布をポケットに入れていたということは、ちょっとしたお出掛けだったのかもしれない。
が、それでも傘くらい差すだろう。
なら、傘が現場証拠としてその辺にでも転がっていないとおかしい。
遺体は、レインコートを着ていないようだし。
最低限、近くに転がってしかるべき被害者の持ち物がないのは、たしかに妙に見える。
ただ、
「まあ、ということはつまり、実際の実行現場はここじゃない、っていうことなんだろうね」
僕はこの時、瞬時に感じ取っていたから、そうでもなかった。