† of Ogre~鬼の心理
ひどく焦っているというか、驚いているというか……
普段なにかと高をくくっている彼女らしくない動揺を、声は含んでいる。
しかも、なにが起こったのか半ば予想がついているのに、それでもあえて質問せずにはいられない、自分の予想を覆してほしいと言わんばかりの切迫感もだ。
「せ、正確なことは僕にもわからない! でも、」
《でもなんだ!?》
「真輝ちゃんが火を――いや、そんな生やさしいものじゃなくて、炎を、出した……」
《っ! ああったく、やっぱか! くそったれ……なんてこった、冗談じゃねぇぞこんなの!!》
言い方からして、仁は間違いなく現状を理解している。真輝ちゃんが発現させた炎の正体もわかっている。
「仁! 説明してくれ! 真輝ちゃんのあの炎はなんなんだい!?」
問いには、一秒あるかないかの間があってから、答えがきた。最初の音は、舌打ちだった。
「ちっ……いいかアル、聞いたら驚け。真輝の炎な、ありゃあウリエルの火だ」
「なん……!? ウリエ……!? はあ!?」
前置きがなくったって驚いた。
普段なにかと高をくくっている彼女らしくない動揺を、声は含んでいる。
しかも、なにが起こったのか半ば予想がついているのに、それでもあえて質問せずにはいられない、自分の予想を覆してほしいと言わんばかりの切迫感もだ。
「せ、正確なことは僕にもわからない! でも、」
《でもなんだ!?》
「真輝ちゃんが火を――いや、そんな生やさしいものじゃなくて、炎を、出した……」
《っ! ああったく、やっぱか! くそったれ……なんてこった、冗談じゃねぇぞこんなの!!》
言い方からして、仁は間違いなく現状を理解している。真輝ちゃんが発現させた炎の正体もわかっている。
「仁! 説明してくれ! 真輝ちゃんのあの炎はなんなんだい!?」
問いには、一秒あるかないかの間があってから、答えがきた。最初の音は、舌打ちだった。
「ちっ……いいかアル、聞いたら驚け。真輝の炎な、ありゃあウリエルの火だ」
「なん……!? ウリエ……!? はあ!?」
前置きがなくったって驚いた。