† of Ogre~鬼の心理
このままじゃ、結果は見えている。

器が持たない。

最悪、身の打ちに宿った炎で真輝ちゃん自身が炎上してしまう。

周囲の女も、感じているんだろう。真輝ちゃんに吸収され、今、そのバルブが開いてしまったなにかの力を。

同様と焦燥と驚愕をごった煮にして、沸々と戦意を滾らせているのを感じた。

《い、いったいなにが!?》《今の力は!?》《小賢しい真似をしてくれます》《東城の地が、また奇怪な!》《やはりここで屠らねばなりません!》《聖音よ!!》

次々と錫杖を構えて振り上げる女達へ、真輝ちゃんが振り返った。

それは機敏でもなければ、特別メリハリのある動きでもなかった。

ただ、足を半歩下げて、くるりと振り返っただけ。にもかかわらず、視線と一緒に放たれた存在感が、女を、そして僕をもぞっとさせた。

糸が切れたのに動くマリオネット――なぜか、そんな脱力感さえあったから、なお、恐ろしかった。

その口が、少しずつ、そして大きく、開いていく。

その形が笑みなのか雄叫びなのか叫喚なのか、僕には、判断できない。

「あ、あはあああっ、うあはひゃはきゃああぁぁぁぁああ!!」

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