† of Ogre~鬼の心理
その期を狙っていたように、真輝ちゃんの周囲でまた青白い燐が舞い始める。その中に、女の分身がまたしても無数、輪郭を作っていた。
《アル!》
と、また仁の声。今度はポケットに入ったままの付箋からだ。どうやら、今いるそばには刻印がないらしい。
《今すぐに本体をぶっちめろ! そしたら真輝を確保すんだ! あとはこっちまで転送すれば、俺が真輝の中のウリエルを引きずり出す!!》
「わ、わかった!!」
反論はもちろん、躊躇している時間さえなかった。
ここから一気に飛んで、あの本体へ直接攻撃を行う。そして超特急で真輝ちゃんを仁のもとへ連れて行――
「邪魔をぉぉぉぉぉおお!!」
「!?」
――く、とまで思考を回転させた時、その歯車は、下方から轟いた大声で乱されてしまった。へりに駆け寄って覗き下ろす。
真輝ちゃんが、右の拳を腰で溜めていた。
それは、まるでではなくまさしく武道の構えで、
「するなぁぁぁぁぁああああ!!」
踏み込みは深く気迫も強く、鋭い正拳突きが繰り出された。
《アル!》
と、また仁の声。今度はポケットに入ったままの付箋からだ。どうやら、今いるそばには刻印がないらしい。
《今すぐに本体をぶっちめろ! そしたら真輝を確保すんだ! あとはこっちまで転送すれば、俺が真輝の中のウリエルを引きずり出す!!》
「わ、わかった!!」
反論はもちろん、躊躇している時間さえなかった。
ここから一気に飛んで、あの本体へ直接攻撃を行う。そして超特急で真輝ちゃんを仁のもとへ連れて行――
「邪魔をぉぉぉぉぉおお!!」
「!?」
――く、とまで思考を回転させた時、その歯車は、下方から轟いた大声で乱されてしまった。へりに駆け寄って覗き下ろす。
真輝ちゃんが、右の拳を腰で溜めていた。
それは、まるでではなくまさしく武道の構えで、
「するなぁぁぁぁぁああああ!!」
踏み込みは深く気迫も強く、鋭い正拳突きが繰り出された。