† of Ogre~鬼の心理
祓う前に焼き払われたあの巫女の妹――その一族がたしか鈴原、そういう苗字だ。
鈴原――転じて、古では煤祓いと呼ばれていた連中だ。巫女の家系と鬼の家系。
この街は本当に、面白い坩堝で渦巻いている。
とにも、かくにも、鈴原については解せん話だ。
「一ツ橋、お前、本当にそれだけか? 俺は納得がいかん」
「ほう? それは私の信用問題ですかな? それとも、」
「それとものほうだ。お前を信用してないのは今に始まったことじゃない」
「言われたものです」
「イヤなら改善しな。そのいけ好かん性格から抜本的にな。それでだ、解せんのはその鈴原家の連中。なぜ、ヤツらは今回の件に直接関与してこなかった? なぜお前を通しての情報収集という、回りくどいことをした?」
答えろ、と強制することはできない。ギブアンドテイクは、すでに行われたのだ。
一ツ橋が俺に女の情報を与えた。だから俺も一ツ橋の『要請』に応えるはめになった。
俺に、一ツ橋へ回答を強制する権利はない。もしそれを発生させるなら、俺はヤツの情報に対してまた、なにか代償を払わなければならなくなる。
鈴原――転じて、古では煤祓いと呼ばれていた連中だ。巫女の家系と鬼の家系。
この街は本当に、面白い坩堝で渦巻いている。
とにも、かくにも、鈴原については解せん話だ。
「一ツ橋、お前、本当にそれだけか? 俺は納得がいかん」
「ほう? それは私の信用問題ですかな? それとも、」
「それとものほうだ。お前を信用してないのは今に始まったことじゃない」
「言われたものです」
「イヤなら改善しな。そのいけ好かん性格から抜本的にな。それでだ、解せんのはその鈴原家の連中。なぜ、ヤツらは今回の件に直接関与してこなかった? なぜお前を通しての情報収集という、回りくどいことをした?」
答えろ、と強制することはできない。ギブアンドテイクは、すでに行われたのだ。
一ツ橋が俺に女の情報を与えた。だから俺も一ツ橋の『要請』に応えるはめになった。
俺に、一ツ橋へ回答を強制する権利はない。もしそれを発生させるなら、俺はヤツの情報に対してまた、なにか代償を払わなければならなくなる。